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はじめの一歩

ご存知の方も多いと思いますが

私は9年間Noism(ノイズム)という舞踊団に所属していました。

「舞踊家」を生業として生活できる日本で唯一の場所。

プロの舞踊家として、毎日舞踊にエネルギーを注ぐということは並大抵の覚悟ではできなくて

逃げ場もなく自分と向き合う日々はとても厳しいものでした。

それでもやはり恵まれた環境だったなと思うのです。

暖かなクッションに包まれていたな、と。

そしてそのクッションから飛び出して

生身の真下恵になったときに訪れたのは

どうしようもない「不安」と「恐怖」でした。

さて、これからどうやって生きていこう・・・。

自分になにができるんだろう・・・。

ときには

「へ〜、ノイズムのダンサーだったんですか〜、すごいですね〜。」

という言葉が、逆に心を苦しめるときもありました。

新潟でヨガを教えはじめて1ヶ月。

最近「ヨガを教えるのすごくあってるね。」

と言われることがあります。

なんだか、ホッとします。

舞踊家として舞台にたつことと、ヨガをおしえること。

同じからだを使う職業ですが、

根本的には真逆のものです。

私がヨガを教えているときに一番気をつけていることは

「自分をみせない」こと。

自分の技術や自分自身を表現することをしてしまったら

きっと誰も私のクラスにはきてくれなくなるでしょう。

「自分をゼロにする」

舞台の上で自分が評価されたい、

自分を見てもらいたいと思っていた頃には

考えられないことでした。

でも、今、この自分をゼロにしてヨガを教えるということは

真下恵として人生を歩む上で

今まで触れることのなかった

とてつもなく大きな豊かさをもたらしてくれているなと

実感しています。

今、ようやく私の道の「はじめの一歩」、踏み始めました。

今後もどうぞ皆さま、真下恵を暖かく見守ってくださいませ。

真夜中の独り言、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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